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日本と海外のラウンドアバウト|交通ルールと普及の違い

イギリスやアメリカなど、国ごとのラウンドアバウトの普及状況を紹介します。日本と海外で異なる回る向き、ウインカーの出し方、車線の選び方も説明します。

海外で運転したとき、ラウンドアバウトを何度も通り、「日本ではあまり見かけないのに」と感じることがあります。イギリスやフランス、オーストラリアなどでは広く使われていますが、海外でも国や地域によって普及の度合いは違います。

通り方にも違いがあります。同じ左側通行の国でも、入るときのウインカーの使い方は日本と同じとは限りません。 この記事では、国ごとの普及状況と、回る向き、優先関係、ウインカー、車線の選び方の違いを紹介します。

中央の島を囲む円形の道路が「環道」です。

日本と海外で回る向きはどう違うか

日本・イギリス・ニュージーランドでは時計回り、フランスやアメリカの一般的なラウンドアバウトでは反時計回りです。環道を走る車が近づいてくる方向も変わります。

国・地域環道を回る向き環道の車が来る側
日本時計回り右側
イギリス時計回り右側
ニュージーランド時計回り右側
フランス反時計回り左側
アメリカ反時計回り左側

ここで比べているのは、入る車が環道の車に道を譲る一般的なラウンドアバウトです。現地に信号や優先関係を示す標識がある場合は、その指示に従います。日本の通行方法は長野県警察、アメリカの構造と優先関係はアメリカ連邦道路庁(FHWA)が説明しています。

ラウンドアバウトが多い国・地域はどこか

イギリス・フランスなどでは広く使われている

アメリカの道路安全研究機関(IIHS)は、ラウンドアバウトはアメリカよりもイギリス・フランス・オーストラリアで広く使われていると説明しています。ヨーロッパでも国によって普及状況は異なりますが、イギリスやフランスで運転するなら、事前に通行ルールを確認しておくと役立ちます。IIHSの解説

イギリスでは、環道の車を優先するルールを導入する方針が、1966年の議会答弁に記録されています。日本で環状交差点の交通ルールが施行されたのは2014年9月で、イギリスではそれよりも長く使われてきました。イギリス議会の記録

オーストラリア・ニュージーランドでも身近な交差点

IIHSはオーストラリアについても、ラウンドアバウトが広く使われていると説明しています。ニュージーランドでも、交通庁の運転指導者向け教材は、ラウンドアバウトをよく見かける交差点の一つとして紹介しています。この2か国でレンタカーを使うなら、出発前に通行方法を確認しておくと役立ちます。ニュージーランド交通庁の運転指導教材(PDF)

街の中心部、郊外、地方の道路など、走る地域によって見かける頻度は変わります。

アメリカ・カナダでは設置が進んでいるが、地域差もある

アメリカでは、環道の車を優先する現在の方式のラウンドアバウトは、イギリスやフランスより遅く導入されました。IIHSによれば、最初の導入は1990年のネバダ州です。導入に積極的な州や市がある一方、あまり進んでいない地域もあり、普及状況には地域差があります。

交通工学の専門会社Kittelson & Associatesが運営するデータベースでは、設置数をアメリカで2025年までに約11,900か所、カナダで2024年までに約1,400か所と推計しています。カナダの総数はアメリカより少ないものの、人口や道路網の規模が違うため、この数だけで運転中に見かける頻度を比べることはできません。ラウンドアバウトの設置数データベース

日本は41都道府県に184か所あり、設置数に地域差がある

警察庁の市区町村別一覧では、2026年3月末の環状交差点は全国184か所です。同一覧を都道府県別に集計すると41都道府県にあり、宮城県28か所、長野県13か所など、設置数には地域差があります。警察庁の導入状況一覧(Excel)

日本でも導入は広がっていますが、同じ県内でも普段使う道路にあるとは限りません。日常的に通る人もいれば、ほとんど通る機会がない人もいると考えられます。

国によって調査時点や集計方法が異なるため、上の設置数だけで国別の順位をつけたり、人口当たりの多さを比べたりすることはできません。また、「アジアは少ない」「ヨーロッパはどこでも多い」と、地域全体をまとめて判断することもできません。

設置数の多さと、ルールの認知度は別

設置数だけでは、「何%の人がルールを知っているか」「何%の人が運転したことがあるか」は分かりません。日本の184か所という数字も、ルールの認知度や運転経験を示すものではありません。

海外でも、導入前から誰もが慣れていたわけではありません。IIHSが紹介する2002年の研究では、アメリカの3地域で、一時停止交差点から1車線のラウンドアバウトへ変更する前後に、導入に賛成する運転者の割合が31%から63%へ増えました。これは当時の3地域で、導入に賛成するかを尋ねた調査です。現在のアメリカ全体でルールを知っている人の割合を示すものではありませんが、実際に通行することで受け止め方が変わる例です。導入前後の意識調査(2002年)

日本での普及を考えるときも、設置数だけでなく、通行方法を知る機会や、安心して通れる案内があるかを併せて考える必要があります。

同じ左側通行でも、ウインカーの出し方が違う

日本では、環状交差点へ入るためのウインカーは不要です。出るときに左ウインカーを使い、入ってすぐの出口なら進入した時点で左の合図を出します。山形県警察の案内

一方、イギリスの交通ルール集「The Highway Code」では、標識や路面表示に別の指示がない場合、次のように案内しています。

  • 最初の出口から左へ出る場合:入る前から左の合図を出す。
  • 右方向の出口へ向かう場合や、一周する場合:入る前は右の合図。目的の出口の1つ手前を通過してから左に切り替える。
  • それ以外の出口へ向かう場合:入る前の合図は通常不要。目的の出口の1つ手前を通過してから左の合図を出す。

イギリスでは、目的の出口に応じて入口で選ぶ車線も示されています。日本での「入るときの合図は不要」という覚え方を、そのままイギリスへ持ち込まないことが大切です。イギリスの交通ルール集・第186項

ニュージーランドの政府系運転学習サイト「Drive」も、左へ行くなら入る前に左、右へ行くなら入る前に右、直進なら入る前の合図は不要と説明しています。出るときは、目的の出口の1つ手前を通過したら左の合図を出します。出口の数だけでなく、実際の進路と標識を確認してください。Driveの通行解説

複数車線や小さなラウンドアバウトにも注意

海外では、環道や入口が複数車線のラウンドアバウトにも出会います。外側の車線を走ればどの出口にも行けるとは限りません。入口に着く前に、目的の出口と路面の矢印を確かめ、現地の案内に合う車線を選びます。

イギリスには、中央の島の代わりに小さな路面標示を使った「ミニラウンドアバウト」もあります。交通ルール集では、車体が大きくて回れない大型車などを除き、中央の標示の周りを通るよう定めています。小さいからといって中央を直進してよい交差点ではなく、ここでのUターンも避けるよう案内されています。イギリスの交通ルール集・第184〜190項

丸い交差点でも優先関係が同じとは限らない

フランスでは、法令で定めるラウンドアバウト(carrefour à sens giratoire)は、入る車が環道の車に道を譲るルールです。フランスは右側通行なので、環道の車は日本と反対の左側から近づいてきます。フランスの道路交通法R415-10、フランス道路安全観測機関(ONISR)の案内

ただし、昔からある円形交差点やロータリーまで、すべて同じ仕組みとは限りません。IIHSは、古い円形交差点(traffic circle)の中には、環道を走る車が入ってくる車に道を譲るものや、信号・一時停止で通行を管理するものもあると説明しています。見た目や呼び名だけで環道の車が優先と決めず、入口の標識や路面表示、信号を確認します。

日本での通り方と、車の流れを確認する

日本の入り方・出方、左ウインカーのタイミング、横断歩道での注意点は、ラウンドアバウトの交通ルール|日本での通り方にまとめています。

信号交差点とラウンドアバウトの比較シミュレーターでは、交通量を変えて待ち時間や行列の違いを比較できます。各方向1車線で、すべての車が直進する日本の左側通行の交差点を想定しています。海外の複数車線の交差点や、国ごとの運転操作は再現していません。

参考資料

2026年10月17日に以下の資料を確認しました。設置数や調査結果の調査時点・対象地域は、本文に記載しています。

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